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本部主導のマス教育からの脱却。カギを握るマネージャー層の自律的な学びをサポート

住友グループ・三井グループの中核企業、世界でもトップクラスのメガバンクとして金融業界をリードしてきた株式会社三井住友銀行。住友グループ、三井グループともに400年以上という長年の歴史を持つ、世界的に見ても稀有な存在です。その実績に甘んずることなく、様々な変革を起こしている同社が考える人材育成の今とこれからについて、話を伺いました。
(※部署、役職は取材当時のものです)

世界トップクラスのメガバンクのリソースを活かし、新しいビジネスを生み出せるという強み

金融業界、中でも銀行を取り巻くビジネス環境の現状は?

よく社長の太田が言っておりますが、日本経済のGDPが低成長時代を迎えているなかで、今後、日本の国内でこれまでと同じように金融ビジネスを進めていても、三井住友フィナンシャルグループや銀行が大きく成長していくことは難しいと感じています。駅前好立地に支店網を広げて預金を集め、資金を必要としているお客さまに対面で貸し出す。こういった永年のビジネス構造が、収益性も含めた様々な観点から年々持続が難しくなってきていると思っています。

資本主義経済の歴史を通じてこれまでに築き上げられてきた様々なビジネスモデルが、デジタル時代の到来によって国境という制約を超えて進化できる時代を迎えています。世の中の流れやビジネスの変化は、よりスピーディで予測が難しくなっています。今までと同じやり方ではその流れや変化に対応することはできません。

そうした中で、これまでとは違う形でビジネスをリードしていこうという動きが、当社でも次々と起こっています。大手企業との協業による新しい決済プラットフォームの構築といった我々銀行ならではの強みを活かした事業もあれば、電子契約書で日本トップシェアのSMBCクラウドサイン株式会社や、生体情報を用いた認証連携サービスを展開する株式会社ポラリファイの設立など、旧来の銀行業とは一線を画す分野のビジネスも積極的に立ち上げていっています。メガバンクとして新たな競争環境にさらされているということは、一方では非常に強い危機感となっていますが、他方で、従来の銀行という枠組みにとらわれることなく、三井住友銀行やフィナンシャルグループが持つ強大なネットワークや豊富なリソースを活用してゼロから新しいビジネスを生み出せる— そんな面白い時なのではないでしょうか。

そのようなビジネス環境の中で、どのような人材育成の課題を感じられているのでしょうか?

これまでの当社の人材育成施策は、本部が企画から運営まで主導的に行う一律の、所謂、『マス教育』を中心とするものでした。やや乱暴に申し上げれば、銀行員の業務が、全国どこでも同じような仕事の進め方、同じような仕事の流れで成り立ってきたため、人事部の考える「理想の銀行員像」や「従来の業務プロセス」に合わせた人材育成を行うのが最も効率的なやり方でした。しかし、近年はビジネス環境も、ビジネスのスピード感も大きく変化しています。去年良しとされていたことが来年は到底受け入れられないということも起こり得る時代において、本部主導で置かれた状況や時流をじっくり分析し、時間をかけて最大多数に刺さるような人材育成プランを立案するというやり方では、時代の波に取り残されてしまいます。そこで2019年度から、これまでの本部主導の中央集権的なマス教育を志向するスタイルから抜本的に舵を切り、多くの育成施策のパッケージの中から、ビジネスの最前線で必要とされるスキルを各現場で、アジャイルにフレキシブルにそれぞれのニーズに応じて選択できるスタイルへと、大きく方向転換しました。こうしたスタイルをしっかり実践し、これまで以上の育成効果を発揮するためにはマネージャー1人1人が部下のキャリアや置かれている環境に寄り添い、個々の実情に合わせてその成長を導いてあげることが極めて重要だと捉えています。
そこで、まずは何よりも、そんなマネージャーを育成・支援する施策、マネージャー自身のスキルアップにつながる施策を充実させることに力を入れています。

人事部 人材戦略グループ 部長代理 安江勇祐さん

本部主導の一律のマス教育からの脱却へ、マネージャーの自律的な学びをサポート

「グロービス学び放題」導入の決め手は?

約4000人いるマネージャーが個々の事情やスキルセットに応じて自律的に選択できる育成パッケージを2019年1月にマネジメントスキル研修としてリリースしました。同研修では、研修コンテンツを「マネジメントスキルとは」「自らのマネジメント」「他者のマネジメント」「組織目標達成とエンゲージメント」という4つの大項目に分類し、それぞれに関連する集合研修、オンラインコンテンツや外部講義といった研修群を揃えています。年1回、『SMBCマネジメントレビュー』という部下や同僚からの自身のマネジメントに対するフィードバックを受けて、自分に足りないもの、今後伸ばすべきスキルを自ら振り返り、そのために必要な研修を自ら選び、受講するというコンセプトです。ちょうど、これらの研修群にふさわしいオンラインコンテンツを検討している時に「グロービス学び放題」を知り、必要なテーマを数多くカバーしていることから導入することになりました。

選んだ理由としては、まずクオリティの高いビジネスコンテンツが圧倒的に充実していること。しかも他社のサービスは各コンテンツを購入する仕組みが多いのですが、「グロービス学び放題」は1アカウントあたりが比較的安価で、かつ2500コース全てのコンテンツを期間内であれば無制限で視聴できます。各コンテンツそのものの中身が濃く興味をかき立てる、簡単なクイズや理解度確認テストなど、受講者ひとり一人に自立的に「やろう」「受講を続けよう」と思わせるしくみが秀逸です。e-Learningに抵抗感を持つ方も、実際に視聴してみるとまったく違った印象を受けると思います。

今回の取組みは「研修」と銘打っていますが、本来はスキル化されているマネジメントの要諦を、各管理職が適宜適切に「辞書」のようにアクセスできる仕組みを作りたいと考えたもので、そのコンセプトにも合致していたことも選んだ理由の一つになります。

(※画像左より)
人事部 人材戦略グループ 安江 勇祐さん、岡田 康彦さん

導入後の運用や反響について伺わせてください

他のコンテンツ同様、「グロービス学び放題」についても、手上げ式で、全管理職を対象に、自身が受けたい時にいつでも受けられるよう受講申し込みは随時受けつけており、毎月受講スタートが可能です。受講も視聴するコンテンツの選択も全て自主性に任せているため、管理職としての新任研修実施時にコンテンツの存在を案内する程度ですが、既に600人以上のマネージャーが「グロービス学び放題」を受講しています。

「自律的な学び」をコンセプトとしているため、オンラインコンテンツ受講の進捗状況などはあえて管理していませんが、「自分の持つ課題に対して明確な答えが見つかり、実践的なスキルが身についた」「デリゲーションやチームビルディングを試している」といった声が寄せられています。組織の中核として周囲からの期待も高まっているマネージャーたちに手を差し伸べるという意味でも、「グロービス学び放題」の導入は正しい判断でした。2019年1月の最初の導入から約1年経ち(※取材は2019年11月)、「グロービス学び放題」の導入後、初のマネジメントレビューが行われています。どういった変化や成果が表れるか、今から結果を楽しみにしています。

今後の人材育成における展望をお聞かせいただけますか

3万人近い従業員と数多くの拠点を抱える当社ですから、どうしても現場と本部には距離があります。本部主導のスタイルからの脱却を大胆に進めようとする程、時として現場の混乱や誤解を生むこともあれば、「何でも現場任せ」という批判を受けることもあります。そこで、どうしてこういう判断に至ったか、人事制度の改定や新しく導入する育成プランの裏にある経営判断、人事としての意図を理解してもらうため、既に新たな取り組みを始めています。

人事部の管理職が現場の部長たちと集まり、各施策の背景やバックデータをつまびらかに明らかにして説明、その上で、今後の施策展開についてオープンに意見交換・情報交換を行っています。手前味噌で恐縮ですが、参加者の高評価を受けて同様の取組みを課長層などにも拡大、現場と人事のコミュニケーション強化にとどまらず、現場の管理職間におけるマネジメントの悩みに関する意見交換の場に発展しています。こうした取り組みを通じて、新しいスタイルが定着、浸透していけば、マネージャーが自身のマネジメントスタイルを自省し、そこから見出した課題を「グロービス学び放題」によって改善、今度は部下の育成に確かな手応えを感じる—–そんな好循環が生まれるのではないでしょうか。

当社のみならず、金融業界そのものが大きく変わっていく中で、これまで以上にマネージャー層の存在感、重要性が増しています。部下との関係、仕事の中身や質の変化により、マネージャー層はこれまでになかったような課題に直面することもあるでしょう。三井住友フィナンシャルグループのリソースを存分に活用して新しいチャレンジができる。そんな恵まれた環境にありながら、仕事を楽しむ余裕がなくなっているマネージャーももしかしたらいるかもしれません。「グロービス学び放題」の導入には、「組織の要であるマネージャーの学びを支えたい」「マネージャーにもっと仕事を楽しんで欲しい」という想いが込められています。

株式会社三井住友銀行
  • 事業内容:預金業務、貸出業務、商品有価証券売買業務、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、社債受託および登録業務、信託業務、 主な附帯業務
  • 社員数:28,401人(※2019年9月30日現在)
  • グロービス学び放題の利用目的:階層への公募導入
  • 企業HPへ
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NEW 受講者の声
株式会社第一ビルディング 様

1951年、当時日本一高いビルであった「大阪第一生命ビル」の所有者として創業した第一ビルディング。以来、オフィスビルや複合施設、ファンド物件を中心に、プロパティマネジメント事業を展開しています。2021年に中期経営計画の中で掲げた「変革への挑戦」の実現に向け、社員一人ひとりの自発的な学びを常態化させることを目指し、『GLOBIS 学び放題』を導入いただきました。人事総務部の白川さんと中山さん、そして受講者としてご利用いただいているDBQ向上推進室の玉木さん、コンプライアンス統括部の海渡さんにお話を伺いました。 (※部署、役職は取材当時のものです)

NEW
雪印メグミルク株式会社 様

中期経営計画2025で3つの事業戦略を定め、その実現に向けて人的資本の活躍や成長を目指す雪印メグミルクグループ。その中核企業として、雪印メグミルク株式会社は『GLOBIS 学び放題』を新任経営職(管理職)向けの研修に導入し、ビジネススキル向上を図っています。同社の人材育成戦略や今後の展望について伺いました。

NEW
株式会社電通コーポレートワン 様

広告会社としてのコミュニケーションビジネスからコンサルティング会社が担う領域まで、幅広い事業を展開する電通グループ。株式会社電通コーポレートワンは、社員数20,000人以上を抱える国内グループの中核的なコーポレート部門として、2022年にスタートした会社です。 ビジネス環境の変化が著しい中、グループ各社の事業変革を支援していく立ち位置を担い、「若手社員の成長加速」に向けた人事制度の設計や学習環境の整備なども行っている同社。「何のために学ぶのか、成長のハンドルを握るのは社員一人ひとりだからこそ、人事の役目はあくまで気づきの提供」と話すのは、人事オフィスHRマネジメント室育成部/ディレクター半田友子さん。個々人の「自律」学習と、会社からの「介入」のバランスはどのように工夫しているのか、新たな人財育成方針や、その実行に向けて「GLOBIS 学び放題」を導入した理由、成果をお聞きしました。

工機ホールディングス株式会社 様

「HiKOKI」「metabo HPT」「metabo」「CARAT」「三京ダイヤモンド」など複数ブランドを展開する工機ホールディングス株式会社。1948年創業と、70年以上の歴史を持つ日本発の電動工具・エア工具のグローバルメーカーです。毎年4月に実施される新入社員研修を、配属後に即戦力となれる人材の育成を目指してアップデート。そのプログラムの一環として「GLOBIS 学び放題」を導入いただきました。導入の背景や実施にあたっての工夫、受講者の感想などについて、研修担当の八木 隆之介さんと、新卒採用担当の鯨井 結衣さんにお話を伺いました。

受講者の声
株式会社コロワイド 様

「牛角」「かっぱ寿司」「大戸屋」「甘太郎」など、全国規模のレストラン・居酒屋チェーンを数多く展開する株式会社コロワイド。新型コロナウィルスの感染拡大や人口減などの逆風の中、ビジネス競争や人材獲得競争に勝てる強い組織づくりが急務となっています。飲食や接客の仕事が好きで熱心に取り組む社員が多い一方で、VUCAの時代に変革をリードするビジネスリーダーの育成に課題がありました。自らも現場からのたたき上げで、現在は同社の人材戦略推進の旗振り役を担う人事法務本部 採用教育部の松原茜さんに、同社が目指す人材戦略の在り方や、その実現に向けて「GLOBIS 学び放題」を導入した理由、導入後の成果などについてお話を聞きました。

株式会社八十二銀行 様

中期経営ビジョン2021の大きな柱の一つとして「人事改革」を掲げ、2022年7月に人事制度を改定した株式会社八十二銀行。「競争から共創へ」をキーワードに2023年6月には長野銀行と経営統合し、2025年度を目途に合併の準備を進めている最中でもあります。この大きな変革の中での、新たな研修制度の狙いや現状、今後の方向性などを伺いました。

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