グループ7社の統合後、 新生リクルートが描く人材開発の未来

株式会社リクルート人事 横断人事統括室 人材・組織開発室 室長 兼ヒトラボ ラボ長 堀川 拓郎さん(写真左)
人事 横断人事統括室 人材・組織開発室 人材・組織開発部 石原 苑子さん(写真右)

この記事のサマリー

  • 個人に「自律・チーム・進化」を求める新たな人材マネジメントポリシーを制定
  • 場所や時間の制約を受けずに学べるよう『RBC』を完全オンライン化
株式会社リクルートは2021年4月に、主要な中核事業会社・機能会社7社を統合。従業員1万6000人の「新リクルート」が誕生しました。「グループ各社が持つ多様な人材とノウハウを会社の価値と成長につなげていくこと」を目的とした今回の統合で、同社の人材開発がどのように変わるのかを伺いました。
(※部署、役職は取材当時のものです)

導入実績2021年の組織統合に際し、各事業会社の研修の多くを全社で統合。以前よりグループ各社で独自の運用を行っていた自由選択型研修『リクルートビジネスカレッジ(RBC)』を完全にオンライン化して統合。研修管理の一元化、オペレーション工数の削減を目指しグロービスのLMS『GLOPLA LMS』を導入。『GLOPLA LMS』に『グロービス学び放題』の全コンテンツ、自社オリジナル研修コンテンツを加え、従業員の自律的な学びの機会の提供に活用している。
2021年5月より、全従業員約16,000名を対象に受講案内を行い、順次受講がスタートしている。

グループ各社の人材・ノウハウの集約と人材マネジメントが今後の事業戦略の鍵に

貴社を取り巻くビジネスの現状と、人材育成の課題をお聞かせください。

堀川さん(以下敬称略)/これまでリクルートは、人材領域や販促領域において消費者と企業をつなぐマッチング事業を展開してきました。そして、これらの事業を通じて獲得した顧客接点を基に、顧客の利便性・生産性向上に貢献するSaaSソリューションの展開を推進しようとしています。2012年の分社化によってグループ各社に散在することになった多様な人材とノウハウを集約して今後の価値向上やリクルートグループの成長につなげていくため、今年(2021年)4月からグループ計7社を株式会社リクルートに統合しました。これに際して、人材マネジメントポリシーを改めて定義し直しています(下図参照)。


(株式会社リクルート様提供資料を本サイト掲載用に加工)

元々、リクルートは価値の源泉は人であるという思想を持ち、個人の成長を期待してきました。これは今後も変わりませんが、今後ビジネスの在り方が大きく変わっていくことを見据えると、社員一人ひとりの成長のみならず社内外の優秀な人材を活かすことも重要です。今後は個の成長に加え、個人の集合体であるチーム・組織としての進化を重視し、人材開発・組織開発においても多数の新しい取り組みを行っていきます。

対象層と習得したいスキルごとにリクルートオリジナルカリキュラムを作成し受講を促進

人材開発における取組の一つとして、RBC(リクルートビジネスカレッジ)オンラインを立ち上げられた理由は?

堀川/人材マネジメントポリシーである「自律・チーム・進化」を推進していく上で、会社は従業員一人ひとりに対して能力をいかんなく発揮できる環境を用意したい。そのためにまずは自律的に学べる施策が必要だと考えました。昨今は働き方改革やコロナ禍の影響を受けて、リモートワークの増加など、働き方そのものが変化しています。「場所や時間の制約を受けることなく、すべての社員に新たな学びの機会を提供したい」と、『グロービス学び放題』を選びました。

元々、RBCそのものは分社化前から存在し、主に手挙げ式の研修で、リクルート内で求められるケイパビリティを養うためのオリジナル研修プログラムとして展開していました。

石原/2012年の分社後から研修の中身が各社独自のものに変わっていったり、一部オンラインへの移行が進んだりと、コンテンツも運用も事業会社ごとにばらつきがあったのですが、今回の統合で一元化し、RBCはすべてオンラインへと移行しています。

『グロービス学び放題』を導入された感想はいかがでしょうか。

堀川/私個人がまず感じたのは、コンテンツの幅広さ。自社であれだけのコンテンツを用意しようとすると、かなりの労力とコストがかかります。幅広い分野の450(※2021年7月現在) ものコンテンツが用意されているので、様々な強みやバックグラウンドを持つ社員が、自分が学びたいと思う分野、強化が必要と感じているスキルに合わせて自由にコンテンツを選べます。また、学ぶ場所や時間が限定されないだけでなく、コンテンツが短くまとまっていたり、長い動画なら数回に分けて視聴できたりと、柔軟に学べるのではないでしょうか。さらに、各動画の最後にテストがあって、学習効果をモニタリングできるのも必要な仕組みだと感じました。

受講を促進するための施策はされていますか?

石原/450ものコンテンツがあると、何から見たらいいのかわからない従業員もいるかもしれません。弊社には、リクルートにおいて高い価値を発揮するための普遍的なケイパビリティを定義している「6つのスキル・4つのスタンス」というものがあります。そのうち、6つのスキルに紐づけて初級・中級・上級と3つのオリジナルカリキュラムを用意しました 。例えば「構造で捉え俯瞰して見る力」というスキルに対して、社会人歴1~2年目の社員向けには初級カリキュラムとして「MECE」や「ロジックツリー」など、社会人歴3~5年目の社員向けには中級として「相関分析」や「マーケティング(基本編)」など、社会人歴6年目以上の社員には上級として「ROAとROE」や「経営戦略」など、対象層と習得したいスキルごとにそれぞれ5~20程度のコース視聴を推奨しています。

他にも、当社でよく視聴されているコースを受講者にメールで配信しています。
1位が「MECE」、2位が「クリティカル・シンキング」、3位が「ロジックツリー」で、思考カテゴリーがトップ3でした。ただ、それでも講座数が多く迷ってしまう部分はあると思うので、個々人の課題に対して適切な講座をどうレコメンドしていくか、どうしたら従業員にとってより使いやすくなるかは、さらに検討していきたいと思っています。

自律的な学習で社員が自らの能力開発をセルフマネジメントできる環境を

社員の方がどのように『グロービス学び放題』を活用することを期待されますか?

堀川/先ほどお話した「自律・チーム・進化」にも関わるのですが、一人ひとりの従業員により自律的に学んで欲しいと考えています。では自律とは何か。あくまで私自身の考えですが、自律にもいくつかのステップがあります。まず最初に、「内省とフィードバックを通じた自己理解」。そして2つ目に「顧客や組織、社会からの期待の把握とそれに対しての自己決定」。3つ目は「目指したい目標を実現するための能力開発、セルフマネジメント」です。現時点での自分の能力と、ありたい自分の能力の間にあるギャップを埋めるために何を学ぶべきか。『グロービス学び放題』を通じて、社員が自分自身の能力開発をセルフマネジメントしていけるのが理想です。
そして、そこからさらにリクルートのバリューでもある「新しい価値の創造」にどうつなげるか。ただ動画を視聴し勉強して終わるのではなく、やはり新しい価値を生み出して欲しい。極論を言えば、『グロービス学び放題』の動画を1本しか観ていなくても、自分が必要とするものを学び「新しい価値の創造」に繋がったのであれば、それもありだと思っています。

石原/学び方のアプローチとして『学び合い』もあるかと考えています。既に現場からもいくつか問い合わせがあり、「『グロービス学び放題』の動画をグループで一緒に視聴して研修を行いたい」といった声も聞きました。自発的に学びを深める方法に関しても、何か新しい取り組みにチャレンジしたいですね。

「OJT×Off-JT」で、社員の可能性を引き出し、能力を最大化

今後の人材開発、組織開発への展望をお聞かせいただけますか。

石原/オンラインとリアル、どちらの研修にも言えることなのですが、研修で学んだ内容をいかに定着させ、実務で活かせるところまで持って行くかが重要です。自分で研修内容を振り返ってすぐに実務に活かせる人はそう多くはいないと思うので、研修で学んだことをスキルとして定着させるトレーニングのような仕組み化を考えていきたいです。また、人それぞれ学び方や学ぶスピードは異なると思うので、個々に合った学び方を科学し 、学習効果を最大化させる取り組みもしていきたいと思っています。

堀川/一つは、まず人材マネジメントポリシーである「自律・チーム・進化」をきちんと実現させたいと考えています。そしてもう一つ、「機会はもっと広い」を人事としてどう形にするか。Off-JTとしての『RBCオンライン』は、あくまで学ぶ機会の一つに過ぎません。いかにOJTの中で実践的に学ぶ機会を用意していくか、というのも大きな課題と捉えています。OJTとOff-JTを組み合わせて、従業員1万6000名一人ひとりの能力やパフォーマンスを最大化していきたいですね。

※写真撮影時のみマスクを外していただいております。

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