『自分のために働け』を進化できる人材育成の第一歩。完全リモートの新入社員研修を”好機”に変える本田技研工業の人材育成戦略

本田技研工業株式会社人事部 人材開発課 課長 大野慎一さん(写真中)
人事部 人材開発課 チーフ 笠井英明さん(写真左)
人事部 人材開発課 市原佑季子さん(写真右)

この記事のサマリー

  • 技術的な専門性を持つだけでなく変化に対応する力が求められる
  • 主体的な姿勢や学びを醸成するリモート型新入社員研修を実施
  • インプットするだけでなく、アウトプットを求める研修を展開
まだ自転車が主な移動手段だった1946年に、エンジンを補助動力とすることを発案。自社エンジンの開発に乗り出し、1948年に本田技研工業株式会社が創設されました。1963年には日本初のDOHCエンジンを搭載したスポーツトラックで四輪業界に参入し、その後もVTECエンジンを開発するなど、常に技術力で二輪、四輪車業界をリードしてきました。新入社員600人中約530人と88%が技術系社員で占める本田技研工業で、2020年度に大きく変わった新入社員研修制度や、今後の育成方針について伺いました。

導入実績2020年の新入社員研修の必須コンテンツとして『グロービス学び放題』と、『グロービス学び放題フレッシャーズ』を約600名全員に向けて導入。自社社員による講義やワークショップと組み合わせて2ヵ月の新入社員研修をすべてオンラインにて実施した。

オンライン研修だからできた『アウトプット重視の研修』への変容

貴社を取り巻くビジネスの現状と、人材育成の課題をお聞かせください。

大野さん(以下敬称略)/自動車業界は時代による変化の波が大きい業界です。自動車に関わる技術そのものの進化はもちろん、近年はデジタルトランスフォーメーションやAIの活用など大きな変革が起こっています。当社は技術系の社員が多くを占めており、これまではそれぞれが専門性を持つサイロ型の組織でした。もちろん今後も専門性を持つことは重要なのですが、今後は時流に合わせて時には自分の持つ専門性を変容させていく姿勢も必要。そこで重要になるのは、新しい領域について抵抗なく主体的に学ぶ姿勢が持てるか、ということです。

笠井さん(以下敬称略)/これまでの新入社員研修は入社後の1週間に集合研修を行い、各部門の社員による講義などのインプットがメインでした。座って聞くことが主体となるので「知識は降ってくるもの」と待ちの姿勢を助長してしまっているのではないか、という懸念がありました。その後は製作所で3ヵ月、販売店で2ヵ月の実習を受けてから配属という流れだったのですが、そこで現場担当者から「もう少し主体的に情報を取りに行くような姿勢があるとよいのでは」といった指摘が上がったこともあります。

2020年はコロナ禍の影響もあって、新入社員研修をすべてオンラインで行うという大きな変化がありました。そこで社員がより主体的に学べる場を提供し、研修期間を有効活用するにはどのような研修が最適かと検討を重ねる中で『グロービス学び放題』と『グロービス学び放題フレッシャーズ』を採用しました。

「グロービス学び放題」導入の決め手は何でしょうか。

市原さん(以下敬称略)/まず、コンテンツの多様さが挙げられます。当社は技術系が多いとはいえ、事務系など様々な専門性を持つ人材を新入社員として迎えています。それぞれが興味ある分野について、自律して主体的に学びとって欲しいという思いから、幅広い分野をカバーしている『グロービス学び放題』を選びました。

また、新入社員研修の一部として活用する上で、必修にできるコンテンツが豊富であることも決め手です。論理的に考える力がつく『思考』や、アカウンティングの知識がつく『会計・財務』、自らのキャリアと向き合うきっかけとなる『キャリアと志』、世界で活躍するビジネスパーソンに必要な知識を学べる『グローバル』などを必修コンテンツに指定しました。

2ヵ月の研修期間の中で、具体的にはどのように『グロービス学び放題』を活用されたのですか?

市原/2ヵ月間の研修期間中、半日は自社社員による講義とワークショップ、残りの半日は『グロービス学び放題』または他の技術系e-learningを使った自習という構成です。

事前に『グロービス学び放題』で知識をインプットした上で、自社社員による講義に臨み、さらにインプットした内容を活かしてワークショップに取り組むという構成で、アウトプットの時間も取れるよう研修プログラムを組みました。

ワークショップは計4回、中には半日×5日間と時間をかけて取り組んだものもあります。例えば「Honda Carsの将来のあり方を提案する」というワークショップでは、まずグロービス学び放題の「SWOT分析」「PEST分析」の動画を視聴。その後4人一組となり、事前の視聴で学んだスキルを使って、環境分析やターゲティング等を行い未来の自動車市場について発想した上で、『Honda Cars』の将来の在り方を提案してもらいました。その後選ばれた何組かには全体発表を行ってもらい、その他の提案に対してもお互いにフィードバックを実施してもらいました。

笠井/優れた提案は特許申請や事業化も検討するというインセンティブを用意したせいか、意欲高く取り組んでもらえたという手ごたえを感じています。実際に、営業部門から「参考にしたい」というアイデアや、特許申請が可能かどうか検討に入っている提案もあります。

新入社員研修のみならず、全階層に向けて「自主的に学ぶ文化」を醸成したい

『グロービス学び放題』を導入した成果はいかがでしょうか。

市原/思った以上にビジネススキルに関するコンテンツが視聴されていたことが印象的でした。必修コンテンツは4月中旬までに視聴を終え、それ以降は自らが興味や関心を持てる分野、弱みとなっている分野を強化するという方向で進めたのですが、技術系のe-learningではなく『グロービス学び放題』を継続的に視聴している社員が多かったようです。技術系の社員が多いのでやはり一番人気があったのは『テクノベート』ですが、『思考』などを意欲的に学んでいる社員も見受けられました。また、『会計・財務』を必修としたことで、最終的には決算資料が読めるほどまでにアカウンティングの知識が身についたという意味でも成果を感じられました。

笠井/特にアカウンティングについては、経理部門の責任者に「Hondaの財務諸表の読み方」「在庫の見方」をテーマとした講義を依頼しました。事前に『グロービス学び放題』で基本的な知識をインプットしたことで、より実感を持ちながらアカウンティングについての理解が深められたようです。

市原/技術系社員にとって、アカウンティングなどは自ら積極的に学ぶ機会も多くありません。本人たちも「研修期間にビジネススキル全般について集中的に学べたのは有意義だった」と感じていたようです。

『グロービス学び放題』は、復習しやすい点も大きなメリットです。以前の集合研修ではあまり復習手段が用意できなかったのですが、『グロービス学び放題』ならいつでも視聴し直すことができます。他にも専用のプラットフォームで講義資料や動画をシェアするなど、2020年度は復習しやすい環境を整えられました。研修終了後も自己啓発の一貫として学びたい時に学べるという点も魅力だと思います。

笠井/グロービス学び放題の受講データや様々なデータを取得できたことで、今後の研修企画や研修評価に活かせると考えています。既に社内のデータ分析チームと連携を始めていますが、新入社員のモチベーションの変化や、主体的な行動の高まりなども可視化できるのではないかと期待しています。今後の研修企画に役立つことはもちろん、社内に向けて研修の効果や意義などを展開する際にも有用かと思いますので、最大限活用していきたいですね。

今後の人材育成に関する展望をお聞かせいただけますか。

大野/主体的に学ぶ姿勢が…という話を冒頭にしましたが、実は新入社員に限った話ではありません。当社が3年に1度行っている意識調査の結果から、若手社員の自ら学ぼうとする意欲が伸び悩んでいることが見てとれます。といっても単純に学習意欲が足りないということではなく、実務と並行しながら何をどのように学べばよいかがわからない、あるいは学びに最適なツールに出会えていないのではないかと考えています。そういった社員をガイドするという意味でも、『グロービス学び放題』のように自律的に学習できるツールを他の層にも導入できればと検討している最中です。

もちろん、当社では階層別研修など様々な研修制度を用意しているのですが、今後は研修以外の場、つまり日常的に、主体的に学ぶ文化を醸成していくべきだと思っています。人事だけでなく、各部門や経営層も巻き込みながら、新しいHondaの人材育成を作っていけたらと考えています。

本田技研工業株式会社

事業内容 : 四輪事業、二輪事業、金融サービス事業、ライフクリエーション事業他

社員数 : 連結218,674名、単独25,379名(2020年3月31日現在)

グロービス学び放題の利用目的 :
新人研修

会社HP : https://www.honda.co.jp/guide/corporate-profile/

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