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『社員が学ぶ風土』はカリスマ創業者の“遺産” 。
『GLOBIS 学び放題』を200%活用するイズミ流能力開発とは

終戦後に広島の闇市からはじまり、今や売上が7000億円を超える一大チェーンストアを築いた株式会社イズミ。中国・四国・九州にスーパー『ゆめタウン』『ゆめマート』やショッピングモール『ゆめモール』を展開し、国内トップクラスの規模、売上を誇ります。2年間かけて経営人材を育成する『イズミ大学』という育成体系を作り上げた背景や、視聴だけに留まらない『GLOBIS 学び放題』の活用方法についてお話を聞きました。
(※部署、役職は取材当時のものです)

カリスマ創業者の逝去、プライム市場への移行、成長鈍化…様々な変化をきっかけに、本格的な経営人材の育成をスタート

貴社を取り巻くビジネスの現状と、人材育成の課題をお聞かせください。

竹田さん/当社は中国地方から四国、九州のエリアを商圏としており、2018年2月期には6年連続で営業最高益を更新。時価総額約2610億円(※2021年10月末時点)というのは、百貨店で言えば高島屋、同じスーパーマーケット業界で言えばライフコーポレーションに近い規模で、非常に勢いのある会社です。しかし、近年は大きな環境の変化にさらされています。理由は大きく分けて3つあります。

まず1つ目はカリスマ創業者だった山西義政が2020年に97歳で逝去したこと。95歳まで経営の第一線で辣腕をふるい、会社を大きく発展させてきた一方で、「(故)山西オーナーの判断に従っていれば上手くいく」という、カリスマに依存する体質ができてしまっていました。

2つ目は、CG(コーポレート・ガバナンスコード)の改訂です。2022年に東証が上場区分を現行の一部、二部、マザーズ、ジャスダックという区分からプライム、スタンダード、グロースの3区分への再編を予定しています。特にプライム市場上場への移行を目指す当社としては、企業の持続的な成長に向けた経営者育成の仕組みが必要とされています。

3つ目は、成長の鈍化。当社が商圏としている中国地方から九州にかけては、近年、熊本や広島の豪雨など自然災害が断続的に起こっています。そこにECとの競争激化や人手不足、法令による出店制限、さらにはコロナ禍による休業要請や営業時間の短縮などにより、売上が減少に転じてしまいました。


能力開発部 部長 竹田裕彦さん

ちょうど2017年からコーポレートガバナンスの強化に向けて、株式会社ニトリの創業者でもある似鳥昭雄氏を社外取締役としてお迎えしました。似鳥氏からカリスマ体制からの脱却や人材投資の重要性を強く訴えられ、またイズミグループの創業60周年という節目の中期経営計画の中でも経営人材育成を重要な経営戦略の一つとして打ち出しており、2021年6月より『イズミ大学』という経営人材育成体系をスタートさせました。

イズミ大学の全体像と、その中で『GLOBIS 学び放題』がどのような役割を果たしているのか、お話しいただけますか

竹田さん/『イズミ大学』は、執行役員コース、部長・支配人コース、課長・店長コースの3つのコースを持ち、それぞれの層から選ばれた社員を次世代の経営人材として育成する、選抜型の研修です。この『イズミ大学』で実現したいのは、「部門横断で連携し、シナジー効果を生み出せる人材」「経営者意識を持ち、自ら考え自ら変える人材」を輩出することで、「人的マネジメント」「論理思考」「経営戦略」「アカウンティング」「組織変革」という、5つの項目の行動特性を満たしている、あるいは満たせる可能性のある社員を選抜しました。2021年の第一期生は、執行役員から6名、部長・支配人から17名、課長・店長から25名が選ばれています。

2年間のプログラムで、1年目は主にリーダーシップや経営の定石についてコース別の講義を受けます。執行役員コースと部長・支配人コースの2年目においては、グロービス・エグゼクティブ・スクール(企業の中核を担うマネジメント層向けに開発された経営幹部養成プログラム)のEMP、MMPコースを受講し、他流試合を通じて意思決定力や思考プロセスを学び、課長・店長コースは組織変革やリーダー像の明確化といった講義が続きます。


(株式会社イズミ様提供資料を本サイト掲載用に加工)

『GLOBIS 学び放題』は、コースごとに約20時間のオリジナルカリキュラムを用意し、主に自習のためのツールとして活用します。実は開講に先立って受講者のキャリアポテンシャル診断を行い、受講者が自分に不足している部分を把握できるようにしています。さらに各研修と『GLOBIS 学び放題』のコンテンツを紐づけることで、「自分は仮説思考力が弱いから、『GLOBIS 学び放題』でしっかり予習して講義に備えよう」といったように、弱みを強化するための仕組みも用意しました。また、研修前後の課題を行うために特定の動画の視聴を推奨するなど、いわば研修の中で基本的な知識を身につける土台のような役割を担っています。

米国のリーダーシップ研究の調査機関ロミンガー社の調査、分析結果から、経営幹部の成長に役立つのは「70%が経験、20%が薫陶、10%が研修」と言われています。この「薫陶」は、社長や取締役など社内の講師だけでなく、社外の英知も積極的に取り入れたいと考えました。社外の経営者やグロービスの講師による講義や、2年目に組み込んだグロービス・エグゼクティブ・スクールの『EMP(エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)』や『MMP(ミドル・マネジメント・プログラム)』といった他流試合の場を活用し、外部との交流を通じて受講者に刺激を与えていきます。

オリジナルテキスト作成。イズミ大学から全管理職へと広がった『GLOBIS 学び放題』の学び

事務局の木村様は全コースを受講済みと伺いましたが、短期間でどのように視聴されたのでしょうか

木村さん/事務局として受講者に薦めるからには、自分も知っておく必要があると思い、全561コース(※取材時2021年10月時点)すべて視聴しました。受講開始時は全部で450コースだったので、3ヵ月で観終えるためには1日2時間半くらい視聴すればよいと計算し、毎日夜の8時半から2時間半ほどを勉強にあてました。といっても時々は気を抜きたいので、週1回程度は休んで、その分土日にカバーしました。視聴しながら気づいたのが、「ただ観ただけで自分の知識にするのは難しい」ということです。とはいっても、受講者が現場の重要な役割もある中で自分のように毎日時間を費やして学べるかと言ったらそうではありません。そこで、受講者により効率的に学んでもらうため、自分が視聴した際、重要だと感じたこと、用語の意味などを書きとめて、用語集、テキストを作成しました。


能力開発部 担当部長 木村満弥さん

そして、これらをイズミ大学の受講者にシェアしたところ、全体的に視聴コース数が増加しました。例えば、今まで視聴しながら自分でメモを取っていた人なら、このテキストに自分が気になるポイントを書き込むだけでオリジナルテキストが出来上がります。復習する時にも紙ならパッとめくりながらすぐ目当ての箇所を探せるので効率的です。また、テキストを見ながらなら多少聞き取りにくくても内容を把握できるので、1倍速で観ていた人が1.5倍速や2倍速で視聴することも可能になります。少しでも効率よく学んでいただくために活用してほしいと思って続けています。

さらに、イズミ大学に選抜された社員のためだけではなく、私自身が社内研修の講師として登壇する際にも活用しています。その中にはこの先イズミ大学の受講者に選抜される社員もいるでしょう。そういった人に『GLOBIS 学び放題』のエッセンスを少しずつでも伝えることで、将来選ばれた時にスタートダッシュがきれるのではないでしょうか。2021年10月からは全管理職を対象に、「リーダーシップ」「SDGs」など様々なテーマでZoom勉強会を開催しているのですが、そこでも『GLOBIS 学び放題』で学んだ知識が活かせています。約半分の店舗の管理職が参加していて大きな反響を得ています。

「私たちにも『GLOBIS 学び放題』を」社員からの声をうけ、2022年は管理職希望者にも導入予定

実際に『GLOBIS 学び放題』を受講された方のご意見をお聞かせいただけますか

治郎丸さん/私自身は木村と違って「やらなければ」というプレッシャーが苦手なので、帰宅後、または朝の出社前のどちらかに見る時間を作るようにしています。その時の仕事やプライベートのスケジュールに合わせて、夜なら長めのコンテンツ、朝は時間がないので短めのコンテンツ、というように時間帯によって観るコンテンツを分けています。最初は正直なところ「やらされている」という意識がありましたが(笑)、始めると知らなかったことを『知る』面白さが感じられるようになりました。

能力開発部 能力開発課 課長 治郎丸明子さん

木村さん/他の受講者に聞いてみても、同じように「知らない世界について新しい知識を得られるのが楽しい」という声をよく聞きます。もともと、当社には好奇心が強い社員が多く、ちょっとした刺激を与えればどんどん自分から前に進んでいきます。この間店舗を訪問したときにある本を紹介したところ、すぐに支配人から「あの本を買いました。すぐに読んでみるつもりです」というメールがきました。

実際、社員を見ていても専門分野の知識は本当に深くて勉強熱心です。ただ、今まではそれが横に広がっていかなかった。私自身、店舗にいた頃は現場で必要な知識のみで、今思えば視野が狭かったと思います。それを広げてくれたのが『GLOBIS 学び放題』ですね。

竹田さん/もしかしたら故山西会長の影響かもしれません。尋常小学校卒で学歴がないからこそ、人一番勉強に対する意欲が高かったようです。蔵書量も膨大で、管理職には毎月1冊本を読んで感想文の提出を義務付けていたくらいです。故山西会長は、イズミがより成長していくための“学ぶ風土”をきちんと作っていたのですね。

木村さん/先ほどお伝えした支配人・店長向け研修やZoom勉強会を通じて、「私も『GLOBIS 学び放題』を受講したい」という声もたくさん寄せられています。そこで、今後はイズミ大学の選抜メンバーだけでなく、全希望者が『GLOBIS 学び放題』を受講できるよう、今準備を進めています。

竹田さん/優れた学習ツールを与えれば、グングン吸収して成長していける組織です。『GLOBIS 学び放題』との出会いがいいきっかけになって、これから変わっていくのではないでしょうか。

今後の人材育成に関する展望をお聞かせいただけますか

木村さん/『GLOBIS 学び放題』を新入社員向けの研修にも取り入れることを検討中です。オンライン学習に慣れている世代なので、浸透が早いと見込んでいます。

竹田さん/イズミ大学もまだ完成形ではありません。2年間かけて学んだ後は、受講者が自ら選んだ課題とそれに対する仮説をたて、それを実践できるようなポジションにアサインし、イズミ大学で吸収したことを活かして現場で行動を起こし、体得していくというフェーズも用意したいと考えています。これに関しても、またグロービスさんの力をお借りするかもしれません。そして、2年後にはまた新しい選抜メンバーでイズミ大学第二期が開校します。経営人材を継続的に育成し続けながら、それを業績向上に結び付けられるようなサイクルを作っていきたいですね。

株式会社イズミ
  • 事業内容:ショッピングセンター、ゼネラル・マーチャンダイジング・ストア(GMS)、スーパーマーケット等の業態による衣料品、住居関連品、食料品等の販売およびインポート事業
  • 社員数:【単体】 正社員 2,907名 パートタイマー 5,971名(1日8時間換算)【連結】 正社員 4,443名 パートタイマー 11,149名(1日8時間換算) 〔2021年2月28日現在〕
  • グロービス学び放題の利用目的:階層別研修
  • 企業HPへ
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NEW 受講者の声
株式会社第一ビルディング 様

1951年、当時日本一高いビルであった「大阪第一生命ビル」の所有者として創業した第一ビルディング。以来、オフィスビルや複合施設、ファンド物件を中心に、プロパティマネジメント事業を展開しています。2021年に中期経営計画の中で掲げた「変革への挑戦」の実現に向け、社員一人ひとりの自発的な学びを常態化させることを目指し、『GLOBIS 学び放題』を導入いただきました。人事総務部の白川さんと中山さん、そして受講者としてご利用いただいているDBQ向上推進室の玉木さん、コンプライアンス統括部の海渡さんにお話を伺いました。 (※部署、役職は取材当時のものです)

NEW
雪印メグミルク株式会社 様

中期経営計画2025で3つの事業戦略を定め、その実現に向けて人的資本の活躍や成長を目指す雪印メグミルクグループ。その中核企業として、雪印メグミルク株式会社は『GLOBIS 学び放題』を新任経営職(管理職)向けの研修に導入し、ビジネススキル向上を図っています。同社の人材育成戦略や今後の展望について伺いました。

NEW
株式会社電通コーポレートワン 様

広告会社としてのコミュニケーションビジネスからコンサルティング会社が担う領域まで、幅広い事業を展開する電通グループ。株式会社電通コーポレートワンは、社員数20,000人以上を抱える国内グループの中核的なコーポレート部門として、2022年にスタートした会社です。 ビジネス環境の変化が著しい中、グループ各社の事業変革を支援していく立ち位置を担い、「若手社員の成長加速」に向けた人事制度の設計や学習環境の整備なども行っている同社。「何のために学ぶのか、成長のハンドルを握るのは社員一人ひとりだからこそ、人事の役目はあくまで気づきの提供」と話すのは、人事オフィスHRマネジメント室育成部/ディレクター半田友子さん。個々人の「自律」学習と、会社からの「介入」のバランスはどのように工夫しているのか、新たな人財育成方針や、その実行に向けて「GLOBIS 学び放題」を導入した理由、成果をお聞きしました。

工機ホールディングス株式会社 様

「HiKOKI」「metabo HPT」「metabo」「CARAT」「三京ダイヤモンド」など複数ブランドを展開する工機ホールディングス株式会社。1948年創業と、70年以上の歴史を持つ日本発の電動工具・エア工具のグローバルメーカーです。毎年4月に実施される新入社員研修を、配属後に即戦力となれる人材の育成を目指してアップデート。そのプログラムの一環として「GLOBIS 学び放題」を導入いただきました。導入の背景や実施にあたっての工夫、受講者の感想などについて、研修担当の八木 隆之介さんと、新卒採用担当の鯨井 結衣さんにお話を伺いました。

受講者の声
株式会社コロワイド 様

「牛角」「かっぱ寿司」「大戸屋」「甘太郎」など、全国規模のレストラン・居酒屋チェーンを数多く展開する株式会社コロワイド。新型コロナウィルスの感染拡大や人口減などの逆風の中、ビジネス競争や人材獲得競争に勝てる強い組織づくりが急務となっています。飲食や接客の仕事が好きで熱心に取り組む社員が多い一方で、VUCAの時代に変革をリードするビジネスリーダーの育成に課題がありました。自らも現場からのたたき上げで、現在は同社の人材戦略推進の旗振り役を担う人事法務本部 採用教育部の松原茜さんに、同社が目指す人材戦略の在り方や、その実現に向けて「GLOBIS 学び放題」を導入した理由、導入後の成果などについてお話を聞きました。

株式会社八十二銀行 様

中期経営ビジョン2021の大きな柱の一つとして「人事改革」を掲げ、2022年7月に人事制度を改定した株式会社八十二銀行。「競争から共創へ」をキーワードに2023年6月には長野銀行と経営統合し、2025年度を目途に合併の準備を進めている最中でもあります。この大きな変革の中での、新たな研修制度の狙いや現状、今後の方向性などを伺いました。

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