・以前導入していたeラーニングサービスは、対象層に必要とされる学びと合致していなかった
・1年契約が基本のeラーニングは、学習意欲を維持する難易度が高いと感じていた
・ポータブルスキル強化を軸に、対象層に必要な教育施策を行うため
・「コンテンツ・プロダクト品質」「コスト」「契約期間」の3点において適していたため
・受講者自らがコンテンツを選びやすく、自律学習に適したUI/UXだと感じたため
・1か月あたりの受講時間(2時間45分)を設定し、現場上長が受講者を選定
・本施策用のシートを通じて、目標設定や振り返りに現場の上長を巻き込み、自律学習サイクルを仕組み化
・BIツールによる学習データを現場上長へ毎月提供。さらなる課題設定支援ができる環境を提供
・以前のeラーニングサービスと比較して、受講時間の達成率が大幅に向上した(88%→134%)
・人材育成部門のKPIである、NPSに変化があった(周囲への推奨層増加、批判層減少)
・社内で独自測定しているスキルスコアから、ポータブルスキルが受講後約15%上昇した
杉本さん/当社は「LINE」や「Yahoo! JAPAN」をはじめとするLINEヤフーサービスの運営支援業務を担う会社で、カスタマーサポート、審査、セールスなどさまざまな職種の社員たちが活躍しています。
人材育成に関しては、2022年11月に専門部署を立ち上げ、約2年かけて体制を整えてきました。今は、階層や目的に合わせた施策を用意し全社へ継続的に展開し続けることでチャレンジを続けています。
当社の特徴としては、事業の成長スピードが非常に速く、組織やサービスを次々と立ち上げるため、それに合わせて運営部門を整えていくという傾向があります。そのため、マネジメント力の標準化が重要課題となり、管理職層向けの研修やマネジメント力強化施策を優先的に整備してきました。
一方、メンバー層(非管理者層)に対しては、経営のニーズに合わせた施策を展開したり、社員が自主的にナレッジを共有するセミナーを開催したり、社内で学び合うカルチャー醸成にも取り組んできました。その中で、以前活用していたeラーニングサービスから、『GLOBIS 学び放題』への移行を検討したのです。
杉本さん/当社はサービスも職種も多岐にわたり、人事主導で全員に共通するテクニカルスキルを高めていくことは難しいという課題を感じていました。
そこで、次のステージに進むにあたって、より社内外で横断的に活躍できる人材の育成に必要性を感じて、「ポータブルスキル」の構築に注力することに決めたのです。
また、人材育成部門のKPIとしてNPS(ネット・プロモーター・スコア)を導入しているのですが、その結果から、以前のeラーニングサービスは社員の学びのニーズと合致していないのではと感じていました。現場ではより一般的なビジネススキルを必要とする業務が多く、そういった気づきもあって、非管理職層向けにリーダーシップや顧客対応に必要なポータブルスキルを強化する施策が必要だと考えました。
杉本さん/選定基準としては、ポータブルスキル強化に適した「コンテンツ・プロダクト品質」「コスト」「契約期間」の3点を掲げ、それらにおいてベストなサービスを探して比較検討しました。
私自身が前職で『GLOBIS 学び放題』を利用していた経験もあったので、コンテンツやプロダクト品質に関しては問題ないと考えていましたし、コストも若干の差異はありますが想定内でした。
そのため、特に重要視したのは契約期間です。以前利用していたサービスは基本1年契約でしたが、学習意欲を1年維持するのは難しいと感じていました。その点、『GLOBIS 学び放題』には6か月プランがあるので、短中期スパンで集中して学べる体制を整えられる点が良かったですね。
杉本さん/まずは社員の約10%から始めて、反響を見て追加での導入を検討する方針でした。そのため、まずは150ID(半期75ID)を設定しました。この数については、過去の実績や導入目的、ターゲットを踏まえ、当社側である程度方向性を固めたうえでグロービスの担当者に相談して決定しました。 そのうえで、対象者は、各事業部や部署などの所属人数に応じてアカウントを割り当て、各部署で選抜してもらう方式をとりました。
福岡さん/導入にあたっては、初期段階からグロービスの営業やカスタマーサクセスの方に相談に乗っていただいています。スタート時には受講者向けの説明会を実施していただいたことで、受講促進にも効果が得られたと感じています。導入後もその都度必要なタイミングでアドバイスやサポートをいただいています。
杉本さん/eラーニング施策は福利厚生化しがちなので、「アカウントは渡したものの、使う人と使わない人が出てしまう」という状況を避けるためです。今回は上長が選定した人に受講機会を付与しています。
福岡さん/選定にあたっては、2か月単位で5時間30分(1か月で2時間45分)は必ず学習することを条件としました。これは他社事例と前期の当社実績における自律学習時間のデータを参考に設定した基準です。上長がこの条件を満たせると判断した人材を選び、人事へ提出する流れで運用しています。
杉本さん/「育成責任は現場にある」ことを明確にし、上長には単なる研修対象者の通知ではなく、指名理由を添えて「あなたに受けてもらいたい」という言葉でメンバーに声をかけるよう促しています。会社主導での一方的な割り当てではなく、上長自身がメンバー選定や声掛けをすることで、メンバーの主体性やモチベーションを高めています。(※もちろん自発的にメンバーが受講したいとコミットメントして、上司が認めるケースもあります。)
また、特定コンテンツ受講を強制すると「やらされ感」が出てしまい、積極的な学びには繋がりにくいと考えました。むしろ受講者自身が必要だと思うコンテンツを選ぶことで、学びの主体性と質を上げようとしています。
受講が始まったら受講者に学習シートを記入してもらうなど、細かい仕組み化のところでは人事部門も関与していますが、私たちはそもそものマインドセットを大事にしています。
杉本さん/受講者選定から受講開始、振り返りまでを一連の自律学習サイクルとして仕組み化しました。この仕組み自体は社内ですでに試していましたが、まだeラーニング導入1年目だったこともあり、今回バージョン2として改善・拡張した形で運用しています。
福岡さん/バージョン2の大きな改善ポイントは、上長の関与を強化したことです。以前から目標設定や振り返りができる学習シートや、導入前後でスキルチェックを行う仕組みは用意していましたが、個人任せでは動機づけが十分でないケースもありました。そこで、目標設定や振り返りの際に上長からコメントをもらうプロセスを追加しました。
(提供:LINEヤフーコミュニケーションズ様)
福岡さん/また、部署単位で、学習時間や受講コンテンツ等の学習データを可視化して上長へ毎月配信しています。上長は自部署の進捗を把握できるため、学習の動機づけや現場でのコミュニケーションが促進されているようです。
データは部単位で区切っているため、全社平均との比較と部署内での状況把握を想定しています。上長が自部署の学習状況を明確に把握できることで、適切なサポートや声掛けがしやすくなっているように感じています。
杉本さん/基本的には、各個人や部署の状況に委ねています。タイミングやデバイス利用などを細かく指示すると、業務への影響や管理コストが増えてしまいます。自律性を尊重し、受講者自身が最適な方法で学べる環境を整えることに注力しています。
また各部署からのサポートも、現段階では関与の度合いに差はありますが、大きな課題にはなっていません。多くの上長が、コメントや励ましを通じて、メンバーの学習意欲を後押ししてくれています。
福岡さん/受講時間のKPI達成率が全体的に向上し、約7割の社員が目標を達成。また、ポータブルスキル強化という目的に対して、スキルスコア(※社内で独自に測定しているスコア)が受講前と比較し約15%上昇しました。
杉本さん/前期と比較して受講KPI(1か月あたり2時間45分以上受講)の達成率も大幅に向上しました。前回は達成率88%でしたが、今回は月あたり3時間40分になり134%と大幅な上昇率です。つまり、『GLOBIS 学び放題』の取り組みが成果を上げていることが数字で示されています。
福岡さん/また、NPSも引き続きモニタリングしています。以前と比較すると、推奨層が増え、批判層が大幅に減りました。つまり、利用者が「このサービスは良い」と周りに推薦したいと思う割合が明確に増加しています。こうした改善はUI/UXの向上やコンテンツの品質など、さまざまな要因が影響したと考えています。
福岡さん/上長からの声では、受講者がコミュニケーション関連のコンテンツを学んだ結果、「相手の話を傾聴し、受容する態度」が変化し、ステークホルダーとの関係が改善したという報告がありました。
また、受講者からは、「わかりやすく、勉強が好きでない自分でも楽しく学べる」、「集中して視聴できたので30分があっという間に感じた」といった声が、社内コミュニケーションツールに届いています。楽しみながら学べる環境が整ったことで、業務へ活かす意欲も高まっているようです。
以前利用していたeラーニングサービスの時は、コンテンツの選び方に苦戦する声も多くあったのですが、今回はそういった声がほぼありませんでした。
杉本さん/受講者にとって、コンテンツの分類や情報整理がわかりやすく、自分に必要な内容をスムーズに選べる点は良かったですね。上長側もメンバーが何を学んでいるのか把握しやすく、OJTやフィードバックとの連動が可能になったと聞いています。学習は手段であり、目的はパフォーマンス向上です。そういった意味で、コンテンツのわかりやすさやデータ把握のしやすさが、社内コミュニケーションやスキル向上にも寄与していると考えています。
杉本さん/2025年度には、新たな会社方針の発表も予定しており、社員一人ひとりの成長がより求められる環境になります。
その中で、会社のビジョンに即した「人材像」を定義しながら、eラーニングを継続するのか、新たなプログラムを導入するのかを再度見極め、パフォーマンス向上へつなげていく予定です。私たちは常に「今、会社にとって一番必要な施策は何か」を問いながら、人材育成施策を最適化していく方針を掲げています。
より「グロービス学び放題」を検討されたい方向けに、
詳細資料(PDF)、無料トライアルをご用意しております。