・事業領域や事業エリアが拡大し、顧客に対し新たな価値提供ができる人財の育成が求められていた
・リアルタイムで行う研修は、参加の自由度が低く特定職種の社員は参加が難しかった
・強化したいコンピテンシーに沿った研修コンテンツが網羅されている
・受講後の理解度確認テストで知識の確認ができる
・集合型のワークショップなど、さらなる学びの機会まで一気通貫で対応が可能
・グループ全社員1万2000人を対象に、3年間アカウントを付与
・グレードごとに必修研修を設定し、昇格の要件にした
・必修以外のコースも任意での受講を推奨。おすすめコースの共有や活用事例の紹介を行った
・想定を上回る約4割の社員が任意研修を受講
・約半数の社員が「学びへの意欲が高まった」と回答
味方さん/当社は一言でいうと通信事業者なのですが、事業領域は非常に広いです。もともとはケーブルテレビや地上波、BS、CS、その他専門チャンネルなどのテレビ事業や、テレビショッピングなどの通販事業を行ってきました。最近では電力やガスなどライフライン事業、少額定期保険などの保険事業なども行っており、幅広く暮らしを支えるサービスを展開しています。
またテレビ事業はいわゆる大都市圏で事業を展開しているのですが、2024年度からスタートした中期経営計画では、今までエリア外だった地域のケーブルテレビ局と提携してBtoBでソリューション事業も行っていきます。
このように、事業領域やエリアの拡大が加速している状況を踏まえ、お客様に対してさらなる価値を提供し続けていくために、自ら新しいことを取り入れて価値を創出できる人財の育成が求められています。
中野さん/はい。それまでも階層研修などは実施していましたが、「J:COMユニバーシティ」は、部門ごとに閉ざされていたナレッジ(知識や経験)と学びの機会を全社に共有することを目的とした企業内大学として創設しました。
その後、学びのオープンプラットフォームとして多彩なカリキュラムを提供してきましたが、2023年7月に研修制度を大幅に刷新しました。
中野さん/2021年に人事制度が変わり、各グレードに求められるものがかなり明確化されたことを契機に、人事制度との連動を踏まえて研修制度の内容も見直しを行いました。
味方さん/その際、改めて「人財力とは」いうところから定義しました。氷山モデルのようなイメージで、目に見えない部分にあるのがコンピテンシー、見える部分をスキルと整理し、ありたい姿を定義したうえで、それをベースに研修体系を組み立てていきました。
また、人財育成に対する基本的な考え方として、「社員の自律的成長」と「専門性向上」があります。まず自律的成長の観点においては、社員一人ひとりが自律的に学び、会社はその後押しをするというメッセージを出し、会社が指示して受講させる従来の研修から、社員の学びの意欲に応える任意研修の部分を厚くしたのが大きなポイントです。
専門性向上についても、部門や個人に任せていたところがありましたが、全社視点で横串を刺して向上させていくことを目標としました。コンピテンシーとビジネススキルの基礎力を底上げしていくことを目指し、新研修制度を構築しました。
中野さん/新研修制度の構築を進めるなかで、同じ時間に集合して行う研修制度では参加者に負荷がかかっているという声を聞きました。特に各エリアで営業活動を行っている社員にとっては、研修のために拠点に戻るだけでも負担だったようです。
また、社員の意欲を掻き立てるには学びの自由度をより高める必要があると考え、従来の集合研修をやめて、eラーニング主体のオンライン研修への切り替えを検討することにしました。
オンライン研修のサービス選定にあたっては、複数の研修会社に話を聞きました。新しい研修制度導入にあたり定めた5つのコンピテンシー(「問題解決」「創造的思考」「リーダーシップ」「コミュニケーション」「チームワーク」)があるのですが、4段階のグレードに適した講座を探すとなると、20種類も用意する必要があります。これを単発の買い切りコンテンツで揃えるのは、価格や品質の面でも難しいと感じました。
そこで、これらの講座を網羅したeラーニングサービスはないかと探した結果、『GLOBIS 学び放題』であれば、全てを兼ね備えていることが分かり、導入することに決めたのです。
中野さん/そうですね。導入を決める前に、グロービスのコンサルタントの方に動画の選定を相談させていただいたんです。まず『GLOBIS 学び放題』のトライアルアカウントをいただき、該当しそうな動画をこちらでピックアップしました。マップにプロットしたものをプロの目線で見ていただき、ご意見をいただいた結果、全ての研修が網羅できることの確証が得られたことが、採用の決め手になりました。
※JCOM様採用HPより転載
網羅性の他にも、受講後に小テスト(理解度確認テスト)が付いていて知識の確認ができる点が良かったですね。さらには、「動画では学びきれない部分を強化するためのワークショップを別途行いたい」といった要望にも相談に乗っていただけたことや、当社が採用しているクラウド型LMS(学習管理システム)と連携できたことも採用の理由です。
グロービスの方々には、導入を決めた後も他社事例を細かく共有いただき、それを参考に自社のKPIを定めるなど、さまざまな点でサポートいただきました。
味方さん/職種や役職などはさまざまですね。管理職、事務職、営業職、カスタマーセンター、技術センターのエンジニアなど多岐にわたります。メディア事業には番組制作や専門チャンネルの運営、またグループ傘下には映画会社もあるため、映画制作や配給を専門とする職種の人もいます。
中野さん/3年間の長期契約にしたのは、学びには継続性が必要だと考えたことと、必修研修を昇格要件に設定したことが理由です。グレードごとの必修研修として定めた動画の視聴と、それに紐づくテストに合格していることを昇格要件にしました。
味方さん/グレード別の必修研修は『GLOBIS 学び放題』のコースを活用しています。基本的にはそのグレードになったら1年以内に受講を推奨しています。必修研修の受講時間はグレードごとに異なりますが、効率的に行えるように最小限に絞りました。若手は少し多めですが、部長レイヤーでは300分程度です。この300分を1年間で割り振って、自分が好きなタイミングで受けてもらいます。自分のグレードだけではなく、上のグレードの範囲を先取りして受講することも歓迎しており、実際に若手社員が部長クラスのコースを受けている例もあります。もちろん必修研修以外のコースも自由に受講してもらっています。
中野さん/導入後半年の時点で実施したアンケートで、これから学びたいものを聞いたところ、「思考・コミュニケーション」や「組織マネジメント」、「リーダーシップ」などの領域が上位に挙がりました。部署ごとに異なる特徴も見られ、興味深かったです。
営業系の社員にはマーケティング関連、本社管理部門やカスタマーセンターの社員には分析系のコンテンツ。業務効率が求められるオペレーションセンターや24時間監視センターなどの社員には、ビジネスソフトウェアやツール活用のコンテンツが人気です。グループ外出向をしている社員からは、テクノベートやグローバル、事業開発・スタートアップなども挙がりました。やはり自分の仕事に必要な知見が得られそうなコンテンツに興味を持つ社員が多いようです。
当社ではもともと導入していたLMSで学習管理を行っているのですが、LMSと『GLOBIS 学び放題』が連携しているため、社員はサイト上で動画の人気ランキングが見られるようになっています。こちらを視聴コンテンツを選ぶ際の参考にしている人も多いようです。
中野さん/必修研修は業務時間内に受講可能ですが、任意研修については業務時間外に視聴してもらっています。自宅のパソコンや私用スマートフォンでの視聴も認めています。アンケートの回答によると、勤務中の休憩時間に業務用パソコンで視聴している人や、通勤時間などのスキマ時間にスマートフォンで視聴している人が多いようです。
味方さん/『GLOBIS 学び放題』には、「耳で効く!ビジネスサプリ」など、短時間のコンテンツも充実しているので、スキマ時間での使い勝手がいいのだと思います。
中野さん/LMS上の「J:COMユニバーシティサイト」から、定期的におすすめコンテンツをメールで発信しています。営業拠点はパソコンを使う機会が少ないので、拠点長がおすすめコンテンツを紹介するポスターを作成して送り、執務室に貼ってもらうといった取り組みも行っています。これには、けっこう反応があります。
また、「2023 J:COM ラーナー」と題して、2023年度の任意研修で多くのコースを受講した社員のインタビュー動画を制作しました。最も多い人だと、新研修制度がスタートした7月末から翌年の3月末までの間で、360時間も視聴していました。毎日の通勤時間や、休日の時間がある時に、ニュースを見るような感覚で動画を視聴しているとのことでした。まさに学びが日常化している状態ですね。そうした事例を紹介することで、少しでも多くの社員が刺激を受けてくれるといいなと思っています。
他には、独自に設定したラーニングパスの動画を全て視聴した人に、会社オリジナルのデジタルバッジを付与する施策も行っています。LMSのマイページから取得したバッジを見えるようにして、「今月のデジタルバッジ取得者」といった形で公開することで、学びのモチベーションにつながると考えています。
中野さん/アンケートによると、半数以上の社員が「新研修制度導入以降、学びへの意欲が高まった」と回答しました。多かった理由としては大きく3つあります。まず自分のグレードに対して、必要なスキルセットが明確になったということ。また、上位グレード、下位グレードのスキルセットをいつでも何度でも学べるようになりました。そして、『GLOBIS 学び放題』で豊富なラインナップから自由に学びを選択できるようになり、自分の好きな時に学べる仕組みが整ったということです。
任意で1コース以上受講している人は、5月時点の全社平均で約4割でした。まずは必修研修で指定している動画の受講が優先なので、それ以外の動画の視聴にまで至る人は多くないのではと思っていたのですが、想定よりも多くの人が見てくれています。
味方さん/学びの意欲が高まったという手応えはありますが、最初に設定した「人財力」が本当に上がっているのかについては、まだこれから見ていく必要があると考えています。導入時に実施した360度レビューと同じ調査をつい先日実施したところで、まだ結果は出ていないのですが、数字で測っていきたいと思っています。とはいえ1年ぐらいで目に見える効果が出るわけではないとも思うので、3年は腰を据えてやっていきたいですね。
中野さん/社員がLMS上から『GLOBIS 学び放題』のコンテンツにアクセスすることで学習データがLMSに蓄積される仕組みになっているので、そのデータをタレントマネジメントシステムと連携し、学びの軌跡が残るようにしていきたいと思っています。異動時にも新しい上長に引き継がれ、過去の学習履歴を見ることができるようにしていきたいと考えています。
味方さん/2024年4月に社内FA制度を作りました。自分で手を挙げ、 条件が合えば希望する部署に異動できるという制度なのですが、その時の条件の1つに「自己研鑽を積んでいること」を入れています。任意研修を受けることがキャリアチェンジのきっかけになるということが浸透し、学ぶモチベーションにつながるといいなと思います。
中野さん/その他ですと、DX人財育成にもぜひ活用していきたいですね。以前から導入していた別の研修会社のコンテンツを活用して一通り基礎知識の付与ができたところなので、今後は『GLOBIS 学び放題』を使って自身のスキルレベルに応じて学んでもらいたいと考えています。
『GLOBIS 学び放題』ではDX系の講座が以前よりたくさん出ていますし、DXアセスメント機能が使えるので、それを活用してリテラシーやスキルの測定を行い、結果に合わせてレコメンドされる動画で、さらに学んでいくことを推奨していきたいです。
味方さん/社員の平均年齢が上がってきている昨今、シニア層の方々にこれまで以上に活躍していただくために何ができるのかは、人財開発の大きなテーマの一つです。そういった面でも『GLOBIS 学び放題』を積極的に活用していきたいと考えています。
あとは、人材流動性が高まるなか、離職率を下げて人材を確保するためにも、人材育成に対して継続的に投資をして、人的資本を重要視していることをJCOMの強みにしたいと考えています。そこに期待をして入社してきてくれる人が増えるといいなと思っています。
より「グロービス学び放題」を検討されたい方向けに、
詳細資料(PDF)、無料トライアルをご用意しております。