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オンラインでもリアルの買い物でも、カギとなるのは「人」!
「継続的に学び、自ら行動する社員を評価する企業」へと進化させる人財育成戦略

株式会社イトーヨーカ堂は、大正9年の創業から始まり、2020年で100周年を迎えました。従業員数2万6000人超、売上1兆500億円強と規模・売上でトップクラスを誇る同社も、消費行動の変化などにより変革を余儀なくされています。会社が選んだ一部の人財に向けて研修を行う「閉じられた人財育成」から、全社員が自らの意思で、誰でも好きな時に学べる「開かれた人財育成」へと変わった契機や、その中で『グロービス学び放題』がどのような効果をもたらしたのかを伺いました。
(※部署、役職は取材当時のものです)

オンラインでもリアルの買い物でも、カギとなるのは「人」

貴社を取り巻くビジネスの現状と、人財育成の課題をお聞かせください

山本さん/小売業界は今二つの変化にさらされています。一つはコロナ禍の影響です。それまでは「買い回り」といって、消費者は複数のお店を回って選ぶことが多かったのですが、コロナ禍の影響で「ワンストップショッピング」、一カ所ですべての買い物を済ませようとする傾向があります。つまり、まず『イトーヨーカドー』ブランドが選ばれなければ、そもそもお客様に来ていただけないのです。もう一つは、ネットショッピングの影響。オンライン、インターネットでの買い物が増加しているものの、リアル、つまり対面での対応によってファンを増やすことが、インターネット販売の売上にもつながっていくと考えています。どちらも結局「人」、つまり従業員一人ひとりが鍵であり、これまでも当社は教育に注力してきました。

しかし、従業員教育に関する課題も感じていました。100年の歴史の中で、小売業界は1990年代前半までは長年右肩上がりの成長を続けてきましたが、それがバブル経済崩壊によって崩れ去ったのです。以来、25年くらい厳しい状況が続き、様々な課題への対応を迫られました。「こういった施策をやろう」「あのような仕組みを取り入れてみよう」といった会社の方向性に沿って、現場はやるべきことが多いという状況が長年続く中で、「言われたことを正しく遂行する」ことを優先させる社員が増えてしまったのかもしれません。

人事室 採用教育部総括マネジャー 山本 正幸さん

また、研修制度そのものも、選抜型の集合研修が中心で、やらされ感を醸成してしまったのではないかと危惧しました。同時に人数の限られた選抜型研修は、「学ぶ意欲があっても、選ばれなければ学ぶチャンスを与えてもらえない」ということ。地理的・時間的な都合で、選ばれても参加が難しいというケースもあり得ます。つまり、これまでは学ぶ意欲を持つ社員のやる気を損なうような研修制度だったのではないか、と問題意識を感じたのです。100周年を機に、自ら考えたことに対してチャレンジできるような自律的人財を育成し、チャレンジしたことそのものを認め、評価する体制を作っていこうと大きく方向転換することになりました。

セブン&アイグループ各企業から「確実に成果が得られる」と、『グロービス学び放題』の導入を決定

『グロービス学び放題』を選ばれた理由は

長嶋さん/元々セブン&アイグループ内でグロービスの研修や『グロービス学び放題』を活用している企業が多かったことがきっかけです。多額の費用を投資するのですから投資対効果にこだわりたいと考えて、既に導入しているグループ各社の施策を確認し、体験した社員の生の声も聞きました。「コンテンツが豊富」「分かりやすい」「やるべきことをきちんとやれば、確実に効果が得られる」といったお墨付きが得られて、『グロービス学び放題』の導入を決定しました。

具体的にはどのように活用されているのでしょうか

山本さん/受講の条件として、年間で合計30時間以上の視聴と、会計・財務のコース視聴を義務づけ、さらに部長、課長、係長、一般社員、新入社員という5つの階層に分けた推奨カリキュラムを用意しています。

長嶋さん/具体的には、幹部・経営層の部長クラスでは経営力を養う上で必須の「戦略・マーケティング」から「経営戦略」「事業環境分析」、他にも「変革」カテゴリから「変革のリーダーシップ」や、「創造」から新規事業の基礎知識を学べる動画を指定しました。

課長クラスには経営力を養う上での「戦略・マーケティング」に加えて、「組織・リーダーシップ」カテゴリから、「組織行動とリーダーシップ」「レビンの組織変革プロセス」などを選択しました。

係長クラスでは「戦略・マーケティング」から戦略視点が身につくフレームワークやそれを実務に落とし込む実践力を学べる動画を選んでいます。また、「組織・リーダーシップ」から、メンバーの力を引き出し、リーダーとして成果を出せる知識を体系的に学べるコンテンツを学んでもらっています。

一般社員は論理的に考える力・コミュニケーション力、新入社員は基礎的な知識の習得を目的とした動画を学ぶ構成です。

推奨カリキュラムをすべて視聴しても30時間には満たないため、残りは各自が興味のある分野を学んでもらう仕組みです。

人事室 採用教育部マネジャー 長嶋 将士さん

小売業界ならではの「スピード感」「数値」を意識して、やる気を引き出す

公募にあたって、受講を促進するような施策はされましたか

山本さん/導入に際してこだわったのは、「押しつけない」ということです。各店長に「申し込みを募ってください」といえば簡単に集まるかもしれませんが、押しつけ型の教育では受け身のスタンスになりがちです。目標管理と同じで、自分から「やりたい」という意欲を持つ人に必要な場を用意すると、著しい成長がみられるのではないかと感じました。

長嶋さん/開講は4月1日なのですが、最初に公表したのは3月10日に開かれた、月に一回の全店店長、本部スタッフ、役員が集まる会議です。山本が『グロービス学び放題』を全社員に提供することを発表し、その直後に私が全社員に向けて社内の情報共有ツールにて通知しました。

山本さん/発表から開講まで約20日で、申し込み期間も2週間。あえてスピード感を重視したのは、小売という業界の特性を意識しました。元々何かの報告や連絡があれば、それにすぐ対応するのが当たり前という業界です。期間を短くすることで、「今すぐやろう」と思ってくれるのではないかと考えました。充分に準備期間を取れば私たち人事は対応が楽になりますが、現場の社員が「後で申し込めばいいや」と、つい後回しにしてしまうのを防ぎたかったからです。

長嶋さん/新入社員はさらに締め切りまでの期間が短く、たったの2日でした。3月27日が入社日で、締め切りは29日。「今申し込めば、『グロービス学び放題』を会社負担で受講できます。次の募集は1年後になってしまいます」とアピールしました。

山本さん/その「1年後」なのですが、12ヶ月プランを導入して、申し込みを年1回にしたことは少し後悔しているんです。1度チャンスを逃すと、1年待たなければ受講できないので、逆に「申し込めばよかった」「次回は絶対申し込もう」と思わせて、次回により前向きな気持ちで受講してもらうのも一つの手だと考えるようにしています。

長嶋さん/また、視聴が進むようにと2回ほど「学び放題通信」と銘打って情報発信を行いました。1回は、グロービスのカスタマーサクセス担当の方から提供された他社と、当社の月の平均視聴時間を比較してみせたりもしました。小売という業界柄、日頃から数字を意識しているので、単に「視聴しましょう」と伝えるよりも、数値で見せれば説得力があり、受講者に響くだろう、と判断しました。

山本さん/結果的に新入社員から60代の嘱託社員まで、合計847名が手を挙げてくれて、思った以上の反響で驚きました。と同時に、社員数を考えたら800人超で満足していいのか、という反省点でもあります。この点については、カスタマーサクセスの担当者に相談しながら、今後対策を考えていきたいですね。

「お客様からのお褒めの言葉が3倍に」。『グロービス学び放題』やマネジメント層向け研修の掛け合わせで大きな成果を生んだ

『グロービス学び放題』を受講し、どのような成果が得られたのでしょうか

長嶋さん/特に視聴時間が長く前向きに取り組んでいる社員数名にアンケートを取ったところ、ポジティブな回答が多数得られました。中でも一番多かったのは「マネジメントに役立った」という意見です。当社は店舗が主体で、店長、各事業部をまとめる統括マネジャー、その下に食品や衣料など各部門の長、と様々なチームがあります。「個人の特性を活かす」という動画を視聴した結果、部門の課題解決に取り組むチームが自発的に生まれた店舗もあるようです。また、「リーダーシップとマネジメントの違い」というコンテンツで、両者を使い分けることと、バランスを取ることの重要性を学んだという声もありました。他にも仲間同士助け合う姿勢をチーム内で醸成する方法を学んで実践している、という社員もいました。一番印象的なのは、「お客様からいただくお褒めの言葉が前年の3倍に増えた」というある社員のコメントでしょうか。『グロービス学び放題』で学んだことを上手く実践に落とし込めたことで、このような大きな成果に結びついたのかもしれませんね。

他にも「事務所に皆が頻繁に顔を出してくれるようになった」という話しもありました。これは店長や幹部社員と現場スタッフとの距離が縮まるようなマネジメントができるようになったということだと思います。

育児で時短勤務中の社員からも、嬉しい言葉をもらいました。「働く時間が制限されているからこそ、コミュニケーションスキルを磨く重要性があると学びました。パートナー社員とコミュニケーションを取ることで構造改革における成果を出せた」とのことで、まさに集合研修には参加しづらいような社員も『グロービス学び放題』で成果を出しています。今後もこういった事例を社内に共有することで、より学びの意識を高めながらモチベーション・エンゲージメントにつなげていきたいですね。

カスタマーサクセスもご利用いただいていますが、いかがでしたか

長嶋さん/基本的なオペレーションは私ともう1名のわずか2名で動かしているため、システムの使い方から推奨カリキュラム作りまで、全てサポートを受けながら進めたようなものです。また、他社のデータを匿名で提供してもらえたので、自社の進捗を客観的に分析しながら次の一手を考えられたのも助かりました。

今後の人財育成に関する展望をお聞かせいただけないでしょうか

山本さん/当社はこれまでも長年教育に注力してきましたが、2021年こそが本当に教育のスタートだと捉えています。100周年を迎え、昨年は次の100年の歴史を作っていくため、改めて経営層自らが企業経営理念理解し、従業員全員に浸透させる取り組みを行いました。また従業員が積極的に研修へ参加できる仕組みをつくるなど様々な取り組みが動いています。先ほどのお客様からのお褒めの言葉が増えたという事例もそうですが、これらの施策が相乗効果を生み、店舗という現場でも大きな変化が生まれつつあります。
一方で、新しい取り組みに対する意欲や前向きさが強いものの、継続できるかはまた別です。『グロービス学び放題』の導入も、1年やって満足するのではなく、学びそのものを継続しながら、そこで得たものをどう実務に落とし込んでいくか。そこが一番重要だと考えています。

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