グロービス学び放題

ニーズが急伸。
「ビジネスの原理原則」

を学ぶ、おすすめ動画5選

「変化が激しい時代でも、ビジネスに役立つ定石はあります」

「グロービス学び放題」の事業リーダーである、鳥潟幸志氏はこう断言する。

変化のスピードが速く、最新の知識やスキルを身につけても瞬く間に陳腐化する時代に、“トレンドに左右されない原理原則”を身につけることは、ビジネスパーソンにとって大きな強みになる。

「普遍的なビジネスの定石」とは何か、学び続けるために必要な能力とは。モチベーションを維持するためのセルフマネジメント実践法とともに、鳥潟氏に聞いた。

また記事後半では「グロービス学び放題」の4500本以上もの動画の中から、「変化の時代を生き抜く人」におすすめの動画を5つ厳選して紹介する。

鳥潟幸志
新卒でサイバーエージェントに入社後、23歳でPR会社ビルコムを共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーションなど経営全般に10年間携わる。 グロービスに参画後、EdTechとしての新規事業「グロービス学び放題」を立ち上げ、現在プロダクトリーダーとして事業をリードする。 グロービス経営大学院や企業研修で思考系・ベンチャー系プログラムの講師を務める。グロービス経営大学院経営学修士課程(英語MBA Program)修了。

変化は短期間で起こる。企業に
求められる
準備とは

同時多発テロ、リーマンショック、そしてコロナショック……。マクロ的に見ると、これまで100年に1度発生するといわれてきた出来事が、10年に1度の頻度で起こっている時代です。

これは世界が複雑に繋がり、価値観が多様化していること、そして世界の政治的なパワーバランスが崩れていることに起因すると考えています。

そしてこの先は5年に1度、あるいはもっと短い頻度で変化が起こるという前提で、企業と個人は“備える”必要があるでしょう。

「企業のあり方、組織のカタチも当然変わってきます。本格的なデジタルシフトはもちろん、消費者の行動様式や価値観の変化に目を向けることも重要です。

以前は都市に価値や人が集中する傾向でしたが、これからは“密”を避け、分散化する方向に向かいます。まったく新しい消費者ニーズが生まれ、ビジネスモデルが生まれてくる。そこに、リソースや人の能力を配分しなければなりません。

このリソース配分の変更には痛みが伴いますが、そこに躊躇している企業は市場からの退場を余儀なくされるでしょう。

また、予測困難な未来を前に、一部の経営幹部だけの意思決定でシナリオを描くことが難しくなっています。

そこで、中央集権型の階層的組織から、自律分散的なネットワーク型組織を作り、権限を現場に委譲していく。 社内で情報をオープンにしたり、基準を整えたりし、これまで以上に個人の能力を発揮しやすい組織づくりが必要だと思います。

鳥潟幸志

未来を切り拓くために、個人に
必要な3つの
能力

個人としても、変化の時代を生き抜くためにできることはあります。

組織の中でスキルを高めていきたい人もいれば、転職する、独立する人もいるなど、多様な選択肢がある。 その中で、未来を自分自身で切り拓いていくために「3つの能力」を意識しておくべきでしょう。

未来を切り拓く3つの力

まず「自己を客観視する力」。これは環境変化に合わせて自己を客観視し、変えるべきこと、変えないことを見極める力です。自分にとって短期的には厳しい現実にも目を向け、正対する姿勢が必要です。

また「信頼残高を蓄積する力」とは、一緒に働く仲間やお客様からの信頼を積み重ねていく力です。自分のやりたいことを実現するには、周囲の協力を得ることが必要です。

SNSが普及し、個人の実績や発言が可視化されやすくなっているからこそ、言動が一致しているなど、当たり前のことを積み重ねることが重要になってきます。

最後に「普遍的なビジネスの定石を理解し、使える力」。変化が激しい時代の中でも、ビジネスを展開する上で変わらないものがあります。定石を理解し、 必要な場面で的確に使えることが、時代を生き抜くための武器になります。

「普遍的なビジネスの定石」とは
なにか

では、個人に必要な能力の3つ目に出てきた、「普遍的なビジネスの定石」とはどういう種類のものかということです。 私は、「思考・コミュニケーションの定石」と、「事業・組織運営の定石」の、大きく2つに分解できると考えています。

普遍的なビジネスの定石

まず、思考・コミュニケーションの定石。

例えば何らかの問題を解決したいとき、いきなり「How」から入ってしまうと失敗しますよね。そこで下図のように、まずは問題を定義し、問題箇所を特定し、理由を可視化するというステップを踏めば、正しい解決策が立てられます。

これはプレゼンでも同じで、まず何の目的で、どんな人に伝えるのかというところから、実施までのステップを踏むという定石があります。これを理解しておくだけで、どんな状況下でも焦らず、伝えたいことを正しく伝えられるわけです。

ものを考え、人に伝えるというのは、どの業種の誰でも、どんなフェーズでも必要とされる普遍的なスキルだと思います。

問題解決のステップ

そして2つ目が、事業・組織運営の定石です。

例えば、会社の赤字を黒字にしなければならないとき。「損益分岐点の可視化」という知識があれば、固定費と変動費を下げる、売上の単価を上げるという2つにしか分解できないということがわかるんです。

損益分岐点の可視化と対策

経営の定石が使えれば、初動を間違わずに、解決の方向性を掴むことができます。言い方を変えれば、厳しい局面において「迷う」のではなく、「考える」ことに時間を使えるようになります。

また、組織のよくある問題として、部署間の摩擦があります。それぞれが目標を追っているので、一部だけを見て解決しようとしても、なかなかうまくはいきません。

そこで、大切なのは「そもそもこのバリューチェーンの先にある顧客に、どんな価値を届けようとしているのか」という視点です。 全体の中で判断できるというのが、事業・組織運営の定石を知っている強みだと思います。

鳥潟幸志

よく、「これまで体系的に学んだことがないので、今さら学んでも自分には変化がないのではないか」とおっしゃる方がいますが、そんなことはありません。

ビジネスの定石を知るということは、様々な立場の人の目線を理解するということです。 事業を取り巻く環境やバリューチェーンなど全体を見て提案ができれば、上司や他部署、ひいては顧客との関係も好転します。

また、経営の全体像が見えると、起きた事象が自分の仕事にどう影響するかがわかる。つまり、上からの指示を待たずとも、主体的に行動できるようになります。

そして変化を主体的にリードできるということは、短期的な変化に右往左往せず、未来に目を向けられるということ。長期的な視点を持ち、余裕を持って仕事ができます。

普遍的なビジネスの定石を学ぶと変わること

「モチベーション格差」を生ま
ないために
意識すべきこと

実力は習慣の産物。──とはいえ、学び続けるためには、どうモチベーションをコントロールしたら良いのか。

予測困難な変化の時代において、私たちは常に自分をブラッシュアップし続ける必要があります。 しかし、変わりたいと思っていても、今の状態を維持しようと考える「現状維持バイアス」が、自分にも働いていることを自覚してほしいと思います。

そのうえで、重要になるのは学びの原動力となる「モチベーション」です。

外発的なプレッシャーで仕方なく学ぶ人と、内発的な動機で自ら学びをリードできる人がいます。同じことをやっているように見えても、 このモチベーションの違いが、時間の経過とともに大きな差として表れます。

このようなモチベーション格差を生まないために、自分のモチベーションをコントロールし、維持し続けたいですね。

私は、これまで多くの起業家にお会いしてきましたが、モチベーションが高い人に共通するのは、好奇心が旺盛だということです。 失敗に対して楽観的で、新しいことに躊躇なく進み、また新しい思考や行動を生む。正のサイクルを作れる気質が特徴だと思います。

鳥潟幸志

しかし、先天的な気質に頼らずとも、モチベーションをコントロールする方法はあります。

まずは、モチベーションが上下する要因を正しく理解するということです。 アメリカのフレデリック・ハーズバーグが提唱した2要因理論によれば、モチベーションは衛生要因と動機付け要因に関係しているといわれています。

動機付け・衛生要因とは

衛生要因は、会社やマネージャーなどに依存する部分が多いという側面がありますが、動機付け要因は自分でコントロール可能です。

例えば、今自分がやっている仕事が、事業や社会とどのように繋がっているのかを言語化し、仕事の意義を見出す。目の前の仕事ですぐに使えるスキルを学び、短期の課題解決を積み重ねるなどです。

まずは自分のモチベーションの上下が、どちらの要因によって左右されているかを自覚するところからはじめましょう。

モチベーション維持に必要な
3つのポイント

次に、具体的にどんなセルフマネジメントをすれば良いかということをお話しします。ポイントは3つで、誰でもできる簡単なことです。

まずは、学びや成長の目的を明確にするということ。数年後のキャリアを変えたい、誰か困っている人を助けたいなど、目的はそれぞれあると思いますが、目的が曖昧なままでは学びは長続きしません。 目的を明確にし、言語化してみると良いでしょう。

次に、学習動機の要因を理解するということ。

学習動機の2要因モデル
出典:『学ぶ意欲の心理学』(市川伸一)

上図の中で、自分が今学ぼうとしている内容は、どの志向に当てはまるか考えてみましょう。

例えば、昇格するために英語を勉強しているとしたら、報酬志向です。「報酬志向だから、3カ月だけ頑張ってみよう」と考えれば、意外とやり切れたりするんですね。 取り組む内容を客観視すると、モチベーションが維持しやすくなると思います。

3つ目は、自分を褒めるということ。学んだことを小さく実践し、課題解決をする。昨日より少しでも進化した自分を認めてあげるんです。 その間、SNSでシェアしたり、人に話したりしてアウトプットしていくとより効果的ですね。

鳥潟幸志

私自身、年始に目標を立て、年末に振り返りをしてブログで公開しています。 また、受講生さんとの関係や、Slackのラーニング・コミュニティなどで刺激をもらい、学ぶ意欲を継続できていると思います。

また、個人的に大切にしていることは、学びを心から楽しむということ。学ぶことで景色が変わり、行動が変わり、成果を出せる。 貢献範囲が広がり、人間関係にも良い影響が出て、社会との繋がりがクリアになってくるんです。

学びはまさに最高のエンターテインメントだと思います。

学びのモチベーションをコントロールして、ぜひ皆さんも「普遍的なビジネスの定石」を手に入れてほしいと思います。

モチベーション維持のために実践すること

変化に強い人材になる、
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構成:安住久美子 編集:奈良岡崇子 写真:タカハシアキラ デザイン:岩城ユリエ