・時代の変化に伴い事業範囲が拡大し、求める人物像の変化も加速していた
・集合研修の質を上げるためにも、オンラインの自律学習を併用する必要性があった
・いつでもどこでも誰でも見られる動画学習コンテンツとして、ラーニングプラットフォーム『SMFLアカデミー』を設立したこと
・グロービス経営大学院のノウハウなど、グロービスはビジネスに幅広く精通しており、基礎スキルからトレンドまでコンテンツのラインナップが幅広いこと
・事業環境と今後のビジョンに照らし合わせてオンライン学習コンテンツが一番マッチしていたこと
・2022年の「SMFLアカデミー」設立時点には、希望する役職員900人にアカウントを付与
・学びの文化醸成のために2023年にアカウントを全役職員に付与
・『GLOBIS 学び放題』のITパスポート関連動画の視聴やIT関連資格の取得を認証要件とする「DXパス」制度、社内のDXプロジェクトにおいてスキルを発揮した役職員をDX人材として認証する「DXドライバー」制度を導入
・全役職員の約99%が社内制度「DXパス・DXドライバー認証」の要件をクリア
・集合研修実施前に予習オンライン学習として活用することで、研修の質が高まった
・社員同士のコミュニケーションが活性化し、学びの文化醸成に役立った
内田さん/三井住友ファイナンス&リース(以下、SMFL)は、社名の通りリースビジネスが根幹にある会社です。一方で市場や顧客ニーズの変化により、事業の多角化を進めており、環境分野など社会課題への取り組みや、事業会社としての側面も年々強化しています。
こうしたなか、中期経営計画では、2030年に向けた長期の経営目標として、社会価値と経済価値の両立を実現し、世界の変化にも対応しながら社会に求められる企業を目指すことを掲げています。
執行役員 ヒューマンキャピタル開発部長 兼 人事部部付部長 内田 直美さん
内田さん/事業範囲が拡大している中で、当然求められる人物像も多種多様になっており、特にコロナ禍以降は変化の速度が増しています。例えば、以前はリースビジネスに必要なスキルを全役職員が身に付けることを目指していたのですが、そのスキルがそのまま業務に直結しない部門も出てきました。そのため、専門スキルの習得は各事業部が推進し、全社ではリーダーシップやマネジメント、そしてDXなど全ての社員に共通するスキルを学ぶことができる教育体制を整えています。
そして、その具体的な育成施策の一つが、年齢や役職に関係なく学べるラーニングプラットフォーム『SMFLアカデミー』(以下、アカデミー)です。
鈴木さん/中期経営計画を掲げたのは2023年度からですが、その準備期間として2022年の10月にアカデミーがスタートしました。その当時、私自身は人事部を離れていたタイミングであり、外の部門から見ていてもアカデミーの立ち上げは会社の人材育成にかける本気度が社員にわかりやすいメッセージとして伝わったと感じています。
ヒューマンキャピタル開発部副部長 兼 人事部副部長 鈴木 秀隆さん
水谷さん/アカデミー開始時、私はまだ新卒入社2年目の社員で、営業職を担っていました。当時気になっていたのは、学びの機会やツールは社内にたくさんある一方、情報が散らばっていて、何から取り組めばいいのかわかりづらかったこと。その点はSMFLアカデミーの専用サイトができたことで情報が整理され、「学びに関することは全てここにある」という共通認識ができ、私自身も何を学びたいか整理できるようになりましたし、会社の本気度も伝わりました。その点ではとても効果的だったと感じています。
ヒューマンキャピタル開発部副主任 兼 人事部副主任 水谷 泰誠さん
鈴木さん/お客様からのご期待が年々高まっており、自分たちも何かを学ぶ必要性を感じていた社員は以前から多くおりました。しかし、実際に何から取り組めばいいのか、会社は何を期待しているのかがイメージしづらいという課題があったのは正直なところです。
その中で、SMFLアカデミーというプラットフォームができたことで、自分たちに何が必要で、会社がどの方向を向いて動いているのかがわかりやすくなり、世の中でよく聞くリスキリングのキーワードに絡めて、素直に受け止めた社員が多かったと思います。
内田さん/会社も世の中の情勢も変わっていく中で、最初から完璧を目指すのではなく、今後いろいろなコンテンツを追加しながら新入社員からシニア層まで、いつでも誰でも学べて、常に進化していくような学びのプラットフォームにしていこうと考えたのです。
その手段の1つとして、アカデミーの立ち上げと共に『GLOBIS 学び放題』を導入しました。
水谷さん/まず前提として、事業環境が急速に変化していく中で求められるスキルが多様化したため、専門的な学びの根底にある基礎スキルをアカデミーでは学べるようにしたいと考えました。
『GLOBIS 学び放題』が提供している動画コンテンツは、ラインナップが非常に充実しており、当社の事業環境と今後のビジョンに照らし合わせて、育成の必要がある領域を広くカバーできそうと感じたことが導入した背景です。他にもいろいろなラーニングツールを検討しましたが、いつでもどこでも誰でも見られる動画コンテンツというところも魅力的に感じましたね。
内田さん/人によって得たい学びは違うと思いますが、個人によって異なる希望の学びに手が届くところも良かったですね。それこそ、経営者の考え方から、簿記やITパスポートなどの資格系、ダイバーシティマネジメントなどの社会価値のあるものまで多岐にわたった動画が常に更新されていることが導入を検討した際に大きく影響しました。
また、当社は今までも通信教育には力を入れていましたが、『GLOBIS 学び放題』は勉強しているうちに、思いがけないようなコンテンツに出会うことや、新しい気づきや知識欲求が駆り立てられるような仕掛けがありますよね。短い時間で学べるコンテンツもあるので、通勤中や子育てをしながらでも学べてとてもありがたいと思っています。
鈴木さん/今になって思い返すと、以前の私は「若手社員だから基礎的なビジネススキルを学ばせなければならない」とか、「新卒2年目はまだロジカルシンキングを知らない」というような前提を持っていました。しかし今は若手社員も学生の皆さんも、いろいろなオンライン学習ツールを使いながら自主的に学ぶ機会が多くあり、わざわざ基礎的な領域の集合研修を実施しなくても、自分のペースで学ぶ環境が一般的になりつつあると感じたのです。
恐らくコロナ禍でオンライン環境が充実したことが、学習環境の変化を後押ししたのだと思います。実際、世の中にはたくさんのサービスやツールがあって、それぞれに特色があります。その中でも『GLOBIS 学び放題』の素晴らしいところは、既にグロービス経営大学院の知見をお持ちなのでビジネスに幅広く精通しており、基礎スキルからトレンドまでコンテンツのラインナップが幅広いことです。
私たちの人材育成における考え方として、集合研修で集まる機会も大切にするというものがあります。集合研修の良さを残しつつも、自分で好きに学びたいというニーズも根強くあるので、自律学習のツールとして最適だと考えました。
ヒューマンキャピタル開発部副部長 兼 人事部副部長 鈴木 秀隆さん
内田さん/2022年のアカデミー設立時点では、希望者だけにアカウントを付与しました。その後、学ぶ文化や社内の共通言語を醸成するため、2023年にはアカウントを全役職員に付与しています。
内田さん/デジタル人材の育成が目的の一つです。もともとSMFLアカデミーの教材として自律的な学習ツールを探していました。当初はリーダーシップやマネジメントの領域を伸ばしたいと考えていましたが、DXをより重視し社内の共通言語にしようと考えたのです。その際に、ITパスポート関連の動画視聴、もしくは関連した知見を習得するためのツールとして『GLOBIS 学び放題』のアカウントを役員から新入社員まで全役職員に導入することを決めたのです。
執行役員 ヒューマンキャピタル開発部長 兼 人事部部付部長 内田 直美さん
鈴木さん/組織のDXをドライブさせていくために、全役職員に「最低限これぐらいの知識は身につけてほしい」というバーをどこに設定するか社内で議論したことが、全社導入に踏み切ったきっかけになります。
バーとなるスキルに関しては、「ITパスポートの資格を取ることだ」という方もいれば、「ITパスポートよりももっと基礎的な何かが必要だ」、逆に「もっと高いレベルに設定すべきだ」という方もいました。何らかの理由で学びの時間が取れない社員もいるため、当然その事情も配慮しながら議論を進めていた中で、ちょうどその頃、『GLOBIS 学び放題』でITパスポートの関連動画がリリースされたのです。
そこで、これらの動画を視聴することをエントリーのレベルにしようと方針が決まりました。しかし視聴できるのが、当時アカウントを付与していた社員だけとなると、やはり知識の偏りが出ます。ITパスポートの動画視聴を最低限のバーとして設定するなら、基礎的なスキルの習得と社内の共通言語を醸成する入口として全役職員に届けたいと考えました。
鈴木さん/はい。また先ほど挙げたITパスポートの動画だけではなく、DXに関連した知識やスキルに繋がる資格の取得なども対象にしました。既にITパスポートを取得している社員にとっては、情報セキュリティマネジメントやMOS Excelなど別の資格のニーズが高かったのです。
また、当社にはデータサイエンティストやアプリ開発者などITリテラシーが高い職種の人材も社内にいます。そのような社員も含めて、2030年までに全員がDX人材になるという目標に向けて、『GLOBIS 学び放題』のITパスポート関連動画の視聴完了やIT関連資格の取得を認証要件とする「DXパス」制度や、DXを業務で実践できる人材を認証する「DXドライバー」制度を導入しました。
鈴木さん/まずは当社の特徴だと思いますが、経営トップ自ら、DXがなぜこの会社に必要なのかを、さまざまな場面で全役職員に対して繰り返し発信をしていました。トップの言葉を借りると、それでもやはり浸透には数年かかり、ようやくDXとは何かということの理解が進んできました。その下地があったからこそ、さらにDXへのドライブをかけるとなった時に、なぜ『GLOBIS 学び放題』で学ぶのか、社員の理解が得られたのだと思います。
あとは、最近の取り組みとして、DXを推進している部隊が主導し、社内向けにデジタル活用を推進する動画やポスターを作成しています。内容は、お客様の課題に対しデジタルを活用して解決した事例を紹介するもので、私たちヒューマンキャピタル開発部も事務局に入りながら、定期的な意見交換のミーティングを通じて、一緒に広めています。
鈴木さん/主に2つの効果があったと感じています。
1つは、真剣に取り組んだ人にスポットライトが当たること。もう1つは、受け手側が「もしかしたら自分にもできるのではないか」と感じてもらえるようになったことです。例えば、後輩社員が動画で紹介されていたら、先輩社員が自分にもできると思い、負けじと行動に移すかもしれません。
動画やポスターを見て自分も学ぼうと思った時には、アカデミーサイトに詳細の情報が集約されており、このような工夫を取り入れた効果は間違いなく出ていると思います。
鈴木さん/コンテンツが充実しているからこそ、見たい動画にすぐたどり着くための工夫は必要だと考えています。そのため、ログイン後のラーニングパスページで、運営からのおすすめ動画が階層別・部門別に一覧できるようにするなど、地道な発信を心がけています。
また、グロービスのカスタマーサクセスの担当者にも社内で周知にむけたセミナーを開催していただきました。サービスを導入して終わりではなく、運用が始まってからもノウハウの提供があったり、サポートをしていただけるのはとても助かっています。
内田さん/まず、私たち人事サイドが感じる変化として、リアルで実施している研修とオンラインの動画が連動し、社員の学びが深まっているところです。
『SMFLアカデミー』の研修制度はとても充実していると自負していて、コロナ禍でオンライン研修が主体となっていましたが、現在は集合研修にも力を入れています。それはスキルの習得以上に、ネットワーキングであったり、リーダーシップやマネジメントについて意見交換する機会を提供するためであったり、改めて対面で行う良さがわかるようになったからです。その事前課題として『GLOBIS 学び放題』のコンテンツを必ず視聴して、それから研修に参加してもらうといった働きかけができるようになりました。
動画は、1.5倍速や2倍速といった視聴速度の調整ができ、隙間時間に積極的にインプットを行い研修に挑めるので、とても効果的だと思います。当然、事前にインプットがあることで、研修の内容も変わってきますし、人事としては受講者の学びが深まるのは嬉しいことです。
鈴木さん/私からは大きく2つ成果を挙げさせていただきます。1つはみんなが同じツールで学んでいるので、「あの動画見た!?」「いや、まだだから見てみよう」といった会話が生まれるようになったことです。全役職員に導入したことで社内のコミュニケーションが活性化しました。
もう1つは、手軽に学びを得られる時代の恩恵を受けられるようになったことです。今までは、何か学ぼうと思ったら実際に話を聞きに行かなければいけなかったのが、『GLOBIS 学び放題』ならスマホのボタンを3回ぐらいタップすればすぐに話を見聞きできます。例えば、リーダーが社内で1on1をする際は、事前に1on1の関連動画を視聴して、一般的な進め方を理解することができます。
また、手軽に学べる良さは、若い社員にとってもプラスに働いていると思います。昔は、「管理職が受けている研修ではどのようなことをやっているのだろう」と興味はあっても、実際にはその立場になるまで受けられませんでしたが、今は先輩社員も同じ動画で学んでいるので、学びの先取りができます。将来、その立場になった時に何が必要なのかイメージできることにプラスはあっても、マイナスになることは1つもありません。
水谷さん/私たち人事部内でも同じようにコミュニケーションが活性化しています。ちょうど2、3週間前ぐらい前に部内で話した時に、「この動画面白かったね」「このラーニングパスをこの日までにやろうね」というような会話がありました。学びを提供する側でありながら、受講する側でもあるためです。
内田さん/まず全社に浸透させることが最初のステップでした。その結果、DXパス認証制度の要件をクリアしたのは、全社員の約99%になりました。
私たち運営側としては次のステップとして、視聴内容の分析を業務に活かすことや、各個人とのコミュニケーションの材料にできたらと考えています。
鈴木さん/ようやく学びが定着してきており、『GLOBIS 学び放題』を継続する方針なので、学び方や活用策をさらに工夫していきたいですね。
鈴木さん/私たちが企業としての競争力を保っていくために必要なのは、やはり人です。人がいるからこそイノベーションが生まれ、目標達成に繋がります。そのためには、どのように人を育成するかが現在の経営の柱です。
昨年、「SMFL人財ポリシー」を制定し、「社員への期待と会社が提供する価値」を示しました。この人財ポリシーの大きな特徴は、社員と会社は双方向で高め合う関係性であるということです。「社員へ期待するもの」「求める人材像」を「多様性を強みとするプロフェッショナル達がお互いを認め合いチームとして成果を出すこと」、そして「一人ひとりが挑戦し続けていくこと」と明確にし、それに対し当社はそうしたプロフェッショナル人材が志や夢を実現するために、お客様や社会への貢献機会を提供し、キャリアの実現を支援することと、多様性を強みとした組織風土の醸成に力を入れています。これは今後も変わることはないと思っています。
私たち育成を担当している部署からすると、その流れを止めることはありません。今やっていることが100%正しいものであるという前提で動くのではなく、良いところは残して、変えるべきところは変えるということを繰り返していく先に、2030年の経営目標達成があると考えています。
内田さん/最初から完璧なものはありません。常に進化し続ける学びのプラットフォームとして、これからも『GLOBIS 学び放題』を活用していきたいですね。
より「グロービス学び放題」を検討されたい方向けに、
詳細資料(PDF)、無料トライアルをご用意しております。